2002年《身体障害者補助犬法》が施行され、盲導犬、介助犬、聴導犬の存在が法律で守られることとなりました。
しかし盲導犬の入店、入所拒否はその回数を減らしたものの、それが皆無というわけにはいきませんし、盲導犬使用者の就職状況もまだかなりハードルが高くて、難しいところが多々あります。
また2015年、徳島で警報音無でバックしてきた2トントラックに盲導犬使用者が盲導犬と共に車輪に巻き込まれて事故死、昨年2016年8月に東京メトロ・青山1丁目駅ホームから盲導犬使用者が転落死、2017年1月JR蕨駅ホームから盲導犬使用者が転落死、このように盲導犬使用者の事故がたて続けに起きました。
重なる盲導犬使用者の悲惨な事故死に思ったことは、盲導犬と生活する私たちが日々の中で直面している問題の数々を、一般の皆々様に正しく理解してもらえていないのではないだろうかということです。
そしてそれと同時にはたして、私たち盲導犬使用者はそのための努力をしてきただろうかということも強い反省とともに考えました。
障碍者は常に社会から守られて、保護されているだけの存在であってはいけないと思うのです、障碍者であればこそわかる社会の矛盾や社会の見逃されている歪が、どこに原因があるのか体験的にわかるということも多々あります。
そして盲導犬と生活するための権利を主張するならば、その裏付けに義務も果たさなければならないという思いもあります。
5月の徳島での第23回総会で、このような考えの基で執行部提案議案でしたが「全日本盲導犬使用者の会・ありがとう運動」は賛成多数で決議することができました。
この運動は街で見知らぬ人に声をかけられたら、手を差し伸べられたら、まず笑顔で「ありがとう」の言葉で受けましょう。
そして時間的にも、心にも、余裕があったら、その感謝の気持ちを全日本盲導犬使用者の会で造った「ありがとうシール」を手渡すことで伝えましょうということです。
このありがとうシールにどうしても注目があつまるかもしれませんが、しかしこの運動の目指すものは声をかけられて、手を差し伸べられて、うれしい時はもちろんのこと、やや迷惑な時でも、煩わしく思う時でも、まずは笑顔で「ありがとう」で受けましょうということです。
一人の盲導犬使用者が日常生活の中で何気なく対応したことが、まったく見知らない盲導犬使用者の生活にも連動していくことを強く自覚しなければなりません。
たとえば一人の使用者が偶然不快な体験をし、その時気持ちのままに感情をむき出しにしたならば、微妙な連動でまったく関係のない盲導犬使用者の安全で安心な歩行の妨げを呼び起こすことになるかもしれないということです。
その反面一人の使用者のさわやかな笑顔が巡り巡って次の盲導犬使用者にも強く影響をして、暖かな出会いの場を生み出してくれることだってあるはずなのです。
さらにそれがまた次の盲導犬使用者の安全で安心な盲導犬ライフに繋がっていきます。
全日本盲導犬使用者の会は、この運動を積極的に展開し盲導犬使用者の立場から社会へ発信することで、21世紀の日本の社会全体がもっと柔軟な心を持てるようになって、社会へ笑顔が広がってゆきますことを強く願っています。
そしてその笑顔の輪が、2020年東京オリンピック・パラリンピックの「真のおもてなしの心」へ繋がって、その後の人と人との心の輪の接着剤となってもらえればとの強い願いもあります。
《全日本盲導犬使用者の会・ありがとう運動》の経緯
@ 平成29年5月27日(土) 第23回徳島総会で、《全日本盲導犬使用者の会・ありがとう運動》が決議され、《ありがとうシール》がモニター用として参加会員有志の皆さまに手渡しました。笑顔で「ありがとう」の言葉とともにこのシールを手渡し、その時のお互いの反応を報告してもらうという活動が始まりました。
A 8月28日(月) 京王プラザホテル(東京・新宿)で《全日本盲導犬使用者の会・ありがとう運動》記者発表会と共に《ありがとうシール》のお披露目をいたしました。司会は、堀潤氏(ジャーナリスト)が努めてくださいました。
☆マスコミ取材は、朝日新聞、朝日小学生新聞、毎日新聞、点字毎日、讀賣新聞、共同通信、福祉新聞の皆さま。テレビ取材は、東京MXテレビが入られました。
B 会報誌《すきっぷ47号》を9月に発送、会員すべてに《ありがとうシール》を同封しました。
C 9月 群馬県地方紙《上毛新聞》の《ありがとう・運動》の取材に地域在住の会員の皆様と一緒に応じました。
D 11月4日(土) 東京都主催《チョイボラ運動》が、日比谷公園で開催、そこにありがとうシールを持ってデモンストレーション参加しました。
E 12月3日(日) 厚労省主催《身体障害者補助犬啓発イベント「身体障害者補助犬ってなんだろう?」》が、ららぽーと立川立飛(東京都立川市)で開催。そこに《ありがとうシール》持参で《全日本盲導犬使用者の会・ありがとう運動》PR参加しました。
F 12月3日(日) 東京都主催《チョイボラ運動》が、代々木公園で開催。そこに《ありがとうシール》を持ってデモンストレーション参加をしました。
G 12月9日(土) 厚労省主催《身体障害者補助犬啓発イベント「身体障害者補助犬ってなんだろう?」》が、阪急梅田本店(大阪市)で開催。そこに《全日本盲導犬使用者の会・ありがとう運動》として「ありがとうシール》持参でPR参加をしました。
ありがとう運動 協賛企業一覧(平成29年11月現在)
● 株式会社 神奈川ナブコ様 ホームページ
● 株式会社 協進印刷様 ホームページ
● 全薬工業 株式会社様 ホームページ
● 株式会社 日の丸リムジン様 ホームページ
● J 株式会社 有志ご一同様
● 団体 C様
● 株式会社 K 有志ご一同様
盲導犬ユーザーアテンド体験の様子
ありがとう運動の記者会見後に実施した、京王プラザホテル ボランティアプラザ会場での、「盲導犬ユーザーアテンド体験」の様子をご覧ください。
☆写真提供 特定非営利活動法人 日本補助犬情報センター
ホームページ http://www.jsdrc.jp
ブログ「ほじょ犬ってなぁに?」 http://www.caresapo.jp/relax/hojoken
Facebook http://www.facebook.com/jsdrc.hojoken
ありがとう運動関連の記事等紹介
ありがとう運動を紹介してくださっているサイトの一部を紹介します。すべて外部リンクで外窓で開きます。
毎日新聞 徳島で盲導犬使用者総会 「ありがとう運動」始動 8月から、理解と事故防止へ
★その他、地方新聞各社で取り扱っていただきました。
私たちは「ありがとう」を伝えます 盲導犬使用者の新たな試み youtube動画
GARDEN Journalism 私たちは「ありがとう」を伝えます。盲導犬使用者の新たな試み
福祉医療機構 「ありがとう」形に 補助者へお礼シール 盲導犬使用者の会
☆その他多数のサイトで取り扱ってくださっています。感謝したします。